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みどりの本棚

読んだ本の感想を垂れ流します。ネタバレもあるので予めご注意を。普段はSEやってます。

おかしな二人 岡嶋二人盛衰記/井上夢人

徳さん、書きたい?
あぁ、やってみたいね。
じゃあ、公平にこれで決めよう、とマッチ棒を取り上げる。

この最後のシーンがすごく好きです。
このやりとりがまさに岡嶋二人そのものだと思った。
良い意味でのカッコつけがすごく好き。

焦茶色のパステルのときも、審査員に明日天気にしておくれが競馬という珍しい題材を使ったからだと言われたことにカチンときて、次も競馬で書いてやるよ!と言って決まった。 このシーンも、最後の小説をどちらが書くか、というものすごく大切なことを話し合いもなく、賭けで決めてしまう。居合わせた編集者達は呆れている。そんな俺たちすごいだろドヤァ。
悪い意味ではありません。

それでいてまったく嫌な感じにならないのがすごい。そんな子ども染みたカッコつけが、岡嶋二人だ。悪ふざけから始まった二人だからこそ。
この本の前半に漂うバブル時代のような(その時代は知らないけど)無敵感を与えてくれる。
その心は?そういう会話をしてくれる誰かが恋しくなる。
思えば小学生の頃は時間なんて気にせず、存在もしない宇宙人の生活を重大事として友達とずっと妄想していた。そのネタで1日中笑っていられた。
大人になってからは、そんな時間は無いに等しくなってしまったけど、そんな時間を恋しくさせる。
もう一度、子どもの頃の無敵感を取り戻せる、そんな本であり、そんな二人だと思う。